【哲学史 その3】自然哲学者 ヘラクレイトス 

【哲学史 その3】自然哲学者 ヘラクレイトス 

前回:【哲学史 その2】ピタゴラスの登場 数の概念

自然哲学者とは

人類初の哲学者は「自然哲学者」と呼ばれています。当時の人々の関心は自然にありました。それはしごく当然で誰もが周りを見渡せば空があり、山があり、動物がいて、作物など自然があふれていたのですからそれも当然です。

それなのになぜそこにそれがあるのか、まったく分かりません。

分からないということは怖いことで、当時の人たちにとっては死活問題でした。

人類初の哲学 ヘラクレイトス

そんなこんなで最初の哲学者たちはまず自然について考えたのです。

「自然とはどのような仕組みで成り立っているのか?」

という問いかけに対して思考を巡らせたのが「自然哲学者」と呼ばれています。

そんな中、万物の根源は「水だ」、「空気だ」、「数だ」と、様々な考えが生まれたのですがその中で

「万物の根源は火だ」

という風に考えたのが「ヘラクレイトス」という哲学者です。

B.C.500年 ヘラクレイトスの考え

ヘラクレイトスが考えた「万物の根源は火だ」というのは「すべてのものは形が変わり流れ去る」ということなのですが、彼の観察は本質をついていました。

石も、木も、人も、国も全ては長い時間をかけて消え去ってしまいます。

「何もかもが時間とともに変化し続け、永遠に変わらないものなんてありはしない」

と考えたのです。

その変化し続けるというのがまさに「万物の法則」であると。

そして、ヘラクレイトスは、さらに思考を深めました。

「生と死は同じである」

「光と闇も同じもの」

これらは別々のものとして考えられていました。

ですが、ヘラクレイトスは初めて同じ現象であると気づいたのです。

「光が減った状態が闇である。

闇というのは光が少ない状態に過ぎない。」

だから、「昼と夜」「生と死」「愛と憎しみ」「善と悪」・・・これらはもともと一つのが時間の経過によって変化したもので、別々のものと区別するのは人の勝手な解釈に過ぎない、ということをヘラクレイトスは考えたのです。

そしてヘラクレイトスは

「この変化を起こしているのは【ロゴス(摂理、法則)である】

と述べています。

ロゴス(摂理、法則)

この考え方は哲学史においてとても重要なものでした。

【ロゴス(法則)】という概念の登場により神による世界の説明を捨て去ったのです。

ヘラクレイトスはこう述べています。

「世界は神が作ったものでもなければ、誰が創ったものでもない。世界は、ロゴス(法則)によって、決まった分だけ燃え、ロゴス(法則)によって決まった分だけ消える。永遠に変化し続ける『生きる火』なのだ」

次回:【哲学史 その4】ヘラクレイトスとの対立 パルメニデス 【万物は変化しない】