【哲学史 その2】ピタゴラスの登場 数の概念

【哲学史 その2】ピタゴラスの登場 数の概念

前回:【哲学史 その1】タレス 人類初の哲学者

人類の疑問

「神話」という迷信に疑いを持ち始めた人類は

「世界とは何か?万物は何から作られているのか?」

という問題を自分たちで考えるようになりました。

そこで人類初の哲学者といわれているタレスは「万物の始原は水である」という考えを結論として述べました。

それ以降の哲学者たちはこれに異議を唱えたのです。

「万物の根源は無限定な何か」アナクシマンドロス(タレスの弟子)

「万物は、空気が固まってできた」アナクシメネス(タレスの弟子の弟子)

このように色々な思想が生まれたが、どれもあまり説得力がなくタレスと大差はなかった。

B.C.550年頃 ピタゴラスの登場

しかし、この頃説得力を持って万物の根源を説明しようとするものが現れました。それがピタゴラスである。

彼が考えたのは

「万物の根源は、数である」

という考え方でした。

ピタゴラスは、

自然現象がある法則に従っていること、その法則が数式によって表すことが可能であるということ

に気づいたのです。

その一つとして、彼は楽器の弦を調律する道具を発明したといわれています。

それまでの弦楽器は、演奏者が自らの耳で音を聞き、良い音を探して調律をしていました。ピタゴラスはその音が、弦の長さの比によって和音が奏でられているということを発見したのです。

このように音から星の軌道にいたるまで、多くの物事に「数の秩序」があることに気づいたピタゴラスはその「数」に魅了されついには「数」を崇める宗教「ピタゴラス教団」を設立したのです。

ピタゴラス教団の設立

ピタゴラスは多くの弟子たちを抱え「数を知ることが真理に近づくことだ」と信じ、日々数学について研究を行っていました。

その中で生まれたのが誰もが知る「ピタゴラスの定理(三平方の定理)」です。

これは

「直角三角形の斜辺の2乗は、他の2辺の2乗の和と等しい」

という直角三角形の3辺の関係を示した有名な定理です。

この計算方法は、大昔中国にもあったものですが、それは経験的なものであって数学的な手法を使って証明をしたのは、ピタゴラスが初めてでした。

この自然現象の背後には、数学的な法則があるということに気づき万物の根源として初めて観念的な存在を取り入れたことで以降の哲学に大きな影響を与えました。

ちなみに

ピタゴラスは、徹底した秘密主義とエリート意識から多くの市民の反感を買い最後は市民からリンチを受けて死んでしまいました。

ピタゴラス教団の弟子たちも施設もろとも焼き殺され何とも無残な最期を遂げたといわれています。

次回:【哲学史 その3】自然哲学者 ヘラクレイトス